巨人投手陣における中川皓太の期待と信頼を数字で見る

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中川皓太

左のリリーフエースにステップアップした2019年シーズンの投球内容

2019年シーズン、中川皓太の登板回数は巨人の中で最も多い67回でした。

2018シーズンの30回から倍以上に機会が増え、あらゆる状況で起用されたのは期待と信頼があってのことです。

期待から信頼へ、この遷移がなくては登板数は増えません。

中川皓太が2019年シーズンに残した成績がどの程度すごいものなのか検証していきます。

以下、2019年シーズン中川皓太以上に登板回数が多かった投手の一覧です。

選手 キャリア 登板 チーム
平井 克典 3年 81 西武
エスコバー 3年 74 DeNA
三嶋 一輝 7年 71 DeNA
ハフ 2年 68 ヤクルト
梅野 雄吾 3年 68 ヤクルト
松井 裕樹 6年 68 楽天
中川皓太 4年 67 巨人

一覧のなかには日本を代表するクローザーやセットアッパー、これから球団の中心を担っていく選手の名前があります。

先にも書いたとおり、期待にこたえられない選手にこれだけの機会は与えられません。

まさに登板機会の多さは信頼の厚さと比例するといっていいでしょう。

こうした面々のなかにあって一際目立つ属性が中川皓太にはあります。

中川皓太はドラフト7位入団。しかも巨人の

ジャイアンツで50回以上の登板回数を数えた投手の中にドラフト5位以下の選手は中川皓太以外にいません。

下馬評を覆す機会をものにしながらポジションを勝ち取るに至ったのですからすごいことです。

年齢やチーム内での役割からいってジャイアンツにおけるライバルは以下の選手達でしょう。

選手 年齢 登板 年俸 draft
高木京介 29 55 500 2011年(4位)
戸根千明 26 26 1500 2014年(2位)
中川皓太 24 67 1900 2015年(7位)
田口麗斗 23 55 7500 2013年(3位)

高木京介はゴタゴタがあっての現在で、田口や戸根は中川よりも早く頭角を現したものの2019年シーズンは精彩を欠きました。

この4人のサウスポーの中でいかに中川皓太が優れた成績を残したか見ていきましょう。

中川皓太のジャイアンツ投手陣における優位性 奪三振率でみる中川皓太

奪三振率とは【三振は最も安全にアウトが取れる】という考えに基づいた指標です。

ゴロやフライではエラーが生じる可能性があるので投手が三振でアウトが取れる能力を査定されるのは当然だといえます。

選手 奪三振率 登板 キャリア 年俸
中川 皓太 10.3 67 4年 1900
高木 京介 8 55 8年 500
田口 麗斗 9.09 55 6年 7500
戸根 千明 8.34 26 5年 1500

ちなみに巨人で50回以上登板した投手のなかに奪三振率二桁以上の投手は中川皓太だけでした。

選手 奪三振率 登板 キャリア 年俸
中川 皓太 10.3 67 4年 1900
澤村 拓一 10.24 43 9年 12150
デラロサ 12 26 1年 3000
森福 允彦 10.38 7 13年 8400
古川 侑利 18 3 6年 1600
髙田 萌生 12.6 2 3年 680
坂本 工宜 13.5 2 3年 420
戸郷 翔征 11.42 2 1年 500

四球を与えず三振を取る能力で中川皓太を見る

三振という最も安全にアウトを取れる能力があり、かつ、四球を与えない投手であることの指標としてK/BBという数値があります。

奪三振数を与四球で割るという単純な数値ではありますが、四球をひとつ与えるあいだに、いくつ三振を奪うことができるか指標で考えるとわかりやすいです。

ちなみに中川皓太は4.11ですから一つの四球を与えるあいだに四つの三振を奪っていることになります。

対して戸根千明だと1.24ですからほぼ四球と三振の比率は1:1ということになります。

登板数が他の3人と比べ半分以下であることから指標がある程度妥当な数値であるといえるのではないでしょうか。

名前 K/BB キャリア 年俸
中川 皓太 4.11 4年 1900
高木 京介 3.69 8年 500
田口 麗斗 3.67 6年 7500
戸根 千明 1.24 5年 1500

安心して見ていられる投手の指標とは?

リリーフ投手が登板のたびに四球や安打で出塁を許せば、機会は制限されてきます。

ランナーがいる状態でのワンポイントリリーフには適さないと考えられるからです。

WHIPとはわかりやすくいえば安心してみていられるかどうかを示す指標で、投球回に対してどれだけランナーを出したかで算出されます。

この値でも中川皓太は登板回数、投球回が最も多いにも関わらず最も優れた成果をあげています。

名前 WHIP キャリア 年俸
戸根 千明 1.5 5年 1500
高木 京介 1.19 8年 500
田口 麗斗 1.18 6年 7500
中川 皓太 1.16 4年 1900

ちなみに中川皓太よりも多く登板している選手達のWHIPは以下のとおりです。

名前 チーム 登板 WHIP 年俸
松井 裕樹 楽天 68 0.92 11000
エスコバー DeNA 74 1.12 9500
中川 皓太 ジャイアンツ 67 1.16 1900
梅野 雄吾 ヤクルト 68 1.18 1100
ハフ ヤクルト 68 1.2 7150
平井 克典 西武 81 1.32 3500
三嶋 一輝 DeNA<
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71 1.35 4800

ファンはどうしても対象となるチームや選手にフォーカスしがちですが、全体を見ればいかに中川皓太が優秀な成果をあげたかよくわかります。

来シーズンにむけて憂慮すべき点とは

ジャイアンツは何人かの外国人投手と契約を更新しませんでした。

補強をするにしてもそのその選手が額面に見合う活躍ができるかどうかは前例からいってあまり期待できません。

やはり、既存の日本人選手の更なる成長に寄せる期待が大きくなるわけですが、もし、戸根や高木、そして田口までもがかつての好調を取り戻すことができず、大事な局面における当番の機会を中川皓太一人に委ねなければならないようになったならそれは誰にとっても良くない状況です。

まとめ

中川皓太の登板回数を見れば期待と信頼の程度がわかる。2019年のこの数字だけでいえば偉大な投手達と方を並べることができている。

ジャイアンツ内にライバルは4人いるが、現状ではあらゆる側面において中川皓太の優位は確か。

不安は満足してしまうこと。疲れ、研究されること。追いつかれないようにする必要がある。球種が少ない。

ライバルが伸び悩めば中川一人にかかる期待が高まってしまうことは心配