スカイブグルーヴの距離適性を血統的な側面から集計

京成杯2着以来、3カ月ぶりに出走するスカイグルーヴ。
鞍上はルメール騎手。
かなりの人気を集めるでしょう。
心配なのはレースからレースの間隔。
久しぶりの実戦であるということと、そこからオークスへの準備期間が短いという点が気がかりではあります。
血統的には桜花賞馬デアリングタクトと同じ組み合わせ。
エピファネイア産駒だからか懸念されている点も少し似ています。
2013/01から2020/04/21までの合計24350レースをもとに集計しています。
スカイグルーヴの母であるアドマイヤセプター産駒の戦績
スカイグルーヴの母馬であるアドマイヤセプターは2冠馬ドゥラメンテの全姉。
木村調教師のコメントを見ていると気性面の危うさはスカイグルーヴにも引き継がれているようです。
しかも父親はエピファネイア。
無観客で開催されるであろう春競馬はこの馬にとって好都合といえるでしょう。
アドマイヤセプターの産駒はスカイグルーヴを含め2頭がデビューしています。
生年 | 馬名 | 性別 | 父親 |
---|---|---|---|
2016生 | ラディアントパレス | 牝 | ハービンジャー |
2017生 | スカイグルーヴ | 牝 | エピファネイア |
ラディアントパレスの距離実績
ラディアントパレスはハービンジャー産駒で、現役時代は中内田厩舎の管理馬でした。
keibajo | kyori | 出走回数 | キャリア | 賞金 |
---|---|---|---|---|
京都 | 芝1600 | 1 | 0-0-0-1 | |
京都 | 芝1800 | 1 | 0-0-0-1 | |
阪神 | ダ1400 | 1 | 0-0-0-1 |
スカイグルーヴの距離実績
スカイグルーヴのキャリは2戦。
ラディアントパレスは3戦なので、アドマイヤセプターの産駒はまだータルで5戦しか走っていません。
競馬場 | 距離 | 出走回数 | キャリア | 賞金 |
---|---|---|---|---|
中山 | 芝2000 | 1 | 0-1-0-0 | 15130000 |
東京 | 芝2000 | 1 | 1-0-0-0 | 7000000 |
能力は確かですが、まだレースで何をしでかすかわからない面も残されています。
エピファネイア×キングカメハメハの実績
出世頭はキャリア3戦目で桜花賞を制したデアリングタクト。
スケールではスカイグルーヴも引けを取っていません。
集計期間中、12頭がデビューし、勝ち上がったのは7頭。
うち6頭が牝馬。
エピファネイア×キングカメハメハの組み合わせの牡馬で勝ち上がったのはレッドブロンクス。
母系にはヴァーミリアンなどがおり、同馬の主戦場もダートです。
馬名 | 性別 | 出走回数 | キャリア | 賞金 |
---|---|---|---|---|
デアリングタクト | 牝 | 3 | 3-0-0-0 | 157375000 |
イズジョーノキセキ | 牝 | 6 | 1-1-0-4 | 22864000 |
スカイグルーヴ | 牝 | 2 | 1-1-0-0 | 22130000 |
ヒバリ | 牝 | 6 | 1-1-0-4 | 12838000 |
マルカエイペックス | 牝 | 4 | 1-1-1-1 | 9670000 |
レッドブロンクス | 牡 | 6 | 1-1-1-3 | 9600000 |
クラヴェル | 牝 | 2 | 1-0-0-1 | 7000000 |
2勝以上あげているのは、デアリングタクトのみ。
ちなみに未勝利馬はリストに載せていません。
イズジョーノキセキは忘れな草賞で2着。
マイルでも堅実に走っており、チューリップ賞では4着。
賞金総額ではスカイグルーヴを上回っています。
エピファネイア×キングカメハメハの組み合わせの距離実績を見ると
距離 | 出走回数 | キャリア | 賞金 |
---|---|---|---|
芝1600 | 16 | 6-1-0-8 | 187275000 |
芝2000 | 3 | 1-2-0-0 | 30194000 |
芝1200 | 9 | 1-1-1-6 | 14638000 |
ダ1800 | 6 | 1-0-1-4 | 6900000 |
産駒が勝っている条件のみに限っていますが、マイル実績が圧倒的です。
芝2000mの1着はスカイグルーヴの新馬戦でのもの。
芝1800mでの勝ちがないのも気になります。
競争のレベルが上がって、再びの東京2000mでスカイグルーヴどんなレースをするか?
より能力と適性が試される場になりそうです。
エピファネイア産駒と東京競馬場の相性
スカイグルーヴは牝馬なので、牝馬のエピファネイア産駒の競馬場ごとの芝コースで行われたレース結果を集計すると
競馬場 | 出走回数 | 成績 | 勝率/連対率 | 賞金 |
---|---|---|---|---|
阪神 | 40 | 5-4-5-25 | 12.5% / 22.5% | 186757000 |
中山 | 45 | 5-5-3-31 | 11.1% / 22.2% | 105969000 |
京都 | 35 | 3-5-5-22 | 8.6% / 22.9% | 55150000 |
東京 | 21 | 4-1-2-14 | 19.0% / 23.8% | 37500000 |
福島 | 9 | 2-2-1-4 | 22.2% / 44.4% | 20600000 |
中京 | 12 | 2-2-1-7 | 16.7% / 33.3% | 20580000 |
小倉 | 23 | 2-1-0-20 | 8.7% / 13.0% | 19710000 |
函館 | 3 | 1-0-1-1 | 33.3% / 33.3% | 8300000 |
新潟 | 8 | 0-1-0-7 | 0.0% / 12.5% | 4550000 |
札幌 | 5 | 0-1-0-4 | 0.0% / 20.0% | 3300000 |
先ほどの条件に1勝馬クラス以上、という条件を付け加えると、結果は以下の通り。
競馬場 | 出走回数 | 成績 | 勝率/連対率 | 賞金 |
---|---|---|---|---|
阪神 | 11 | 2-2-0-7 | 18.2% / 36.4% | 158087000 |
中山 | 21 | 1-3-3-14 | 4.8% / 19.0% | 78189000 |
京都 | 4 | 1-0-0-3 | 25.0% / 25.0% | 20280000 |
東京 | 4 | 0-0-0-4 | 0.0% / 0.0% | 5100000 |
中京 | 3 | 0-0-0-3 | 0.0% / 0.0% | 1500000 |
小倉 | 4 | 0-0-0-4 | 0.0% / 0.0% | 1010000 |
福島 | 1 | 0-0-0-1 | 0.0% / 0.0% | |
函館 | 1 | 0-0-0-1 | 0.0% / 0.0% | |
新潟 | 1 | 0-0-0-1 | 0.0% / 0.0% |
そもそも、エピファネイア産駒の牝馬で1勝クラス以上の条件で勝っているのはデアリングタクト、シーズンズギフト、パドゥヴァルスの3頭のみ。
スカイグルーヴは印象深い馬ですが、まだ1勝しかしていません。
しかし、そうであってもエピファネイア産駒の東京競馬場での出走機会自体が少ないのは気になるところです。
ダービー、オークス、NHKマイルが行われる舞台です。適性を試すためにも出走させそうなものですが、実際の数字はこのようになっています。
スカイグルーヴにとって心配なのは、新馬戦のように我慢がきかないかたちでハナを切って標的にされるような展開になれば、今度は同じようにはいかないという点です。
近年におけるオークス馬の傾向
集計期間中のオークス馬は桜花賞、忘れな草賞を経由した馬から誕生しています。
年度 | 馬名 | レース名 |
---|---|---|
2019 | ラヴズオンリーユー | 忘れな草賞(L) |
2018 | アーモンドアイ | 桜花賞(G1) |
2017 | ソウルスターリング | 桜花賞(G1) |
2016 | シンハライト | 桜花賞(G1) |
2015 | ミッキークイーン | 忘れな草賞(L) |
2014 | ヌーヴォレコルト | 桜花賞(G1) |
2013 | メイショウマンボ | 桜花賞(G1) |
一方、フローラステークスからオークスに出走し3着以内に入った馬は以下の通り。
年度 | 馬名 | フローラS | オークス |
---|---|---|---|
2017 | モズカッチャン | 1着 | 2着 |
2016 | ビッシュ | 5着 | 3着 |
2016 | チェッキーノ | 1着 | 2着 |
2013 | デニムアンドルビー | 1着 | 3着 |
2013 | エバーブロッサム | 2着 | 2着 |
スカイグルーヴはフローラステークスで権利を得られなければ、オークスへの出走は厳しくなります。
内容以前に結果が求められます。
まとめ
キャリア3戦目でフローラステークスに出走するスカイグルーヴ。
集計期間中の同レースの勝ち馬に同じようなプロセスの馬がいたかどうか見てみると、2014年度の勝ち馬であるサングレアルがいました。
サングレアルはブエナビスタの妹で、当時の馬体重は414キロ。オークスの時はさらに体重が14キロ減り400キロで出走し、7着。
同馬のデビューは11月で、2戦目が年明け。
スカイグルーヴもほぼ同じようなキャリアです。
激しすぎる気性がパフォーマンスの妨げになることが多かったアドマイヤグルーヴの産駒。
アドマイヤセプターも例外ではありませんでした。
スカイグルーヴにも同じような危うさがあります。
ここまで間隔をあけるのにはそれなりの理由があるのでしょう。
それが自信によるものなのか、懸念材料を案じてのものなのかは、スカイグルーヴのパフォーマンスによって示されることなのでしょう。
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