ラッキーライラックの距離適性を血統的な側面から集計

2019年度エリザベス女王杯優勝馬のラッキーライラック。
オルフェーヴルの初年度産駒であり、代表産駒です。
デビュー4連勝。
アーモンドアイがいなければこの馬の価値は大きく変わっていたでしょう。
5歳ですがキャリアはまだ13戦。
BMSはフラワーアレイ。
日本では成功しなかったアイルハヴアナザーの父であり、トーセンラーやスピルバーグの兄です。
ラッキーライラック、エポカドーロ以降目ぼしい活躍馬が出ていないオルフェーヴル産駒の戦績も含め見ていきたいと思います。
2013/01から2020/02/16までの合計23750レースをもとに集計しています。
BMSがフラワーアレイである馬の戦績
BMSがフラワーアレイである馬は集計期間中、ラッキーライラックの母であるライラックスアンドレースの産駒のみ。
ラッキーライラックの姉であるディープインパクト産駒のラルクはキャリア3勝でしたが、2勝目は芝1800m、3勝目は芝2400m、日本で最後のレースとなった2勝馬クラスの特別レースは芝2200m。
逃げて2着でした。その後フランスに渡り、出走したレースも2000m以上。
一つ下のディープインパクト産駒の弟ライルは1勝馬ですが、唯一の勝利は2000m。
ラッキーライラックは馬格があり、牝馬らしからぬシルエットですが、現在ではゆったりと流れる2000m以上のレースの方が合っているのかもしれません。
馬名 | キャリア | 賞金 |
---|---|---|
ラッキーライラック | 5-2-2-3 | 400739000 |
ラルク | 3-2-0-11 | 33410000 |
ライル | 1-1-2-4 | 12210000 |
ライラックローズ | 0-0-0-3 |
オルフェーヴル産駒の主な実績馬
G1ホースはラッキーライラックとエポカドーロ。
エポカドーロは2018年皐月賞以来勝ち星がなく、2019年大阪杯を最後に休養しています。
2頭意外に重賞を勝っているのはサラスとロックディスタウン(抹消)。
5勝以上しているのはラッキーライラックのみですが、オルフェーヴル産駒には現状オープン馬が9頭もいます。
ダービー3着馬のアドミラブルの異父妹であるエスポワールあたりは今春ヴィクトリアマイルを目指すことになるのでしょう。
結構粒がそろっています。
便宜上賞金ベースで上位15頭のみ記載しています。
馬名 | 出走回数 | 1着-2着 | 賞金 |
---|---|---|---|
ラッキーライラック | 12 | 5-2 | 400739000 |
エポカドーロ | 10 | 3-2 | 276364000 |
サラス | 12 | 4-1 | 80957000 |
バイオスパーク | 20 | 4-7 | 80610000 |
ジャスティン | 15 | 4-2 | 65617000 |
オセアグレイト | 11 | 4-2 | 65365000 |
エスポワール | 8 | 4-2 | 65130000 |
グアン | 21 | 3-5 | 64582000 |
タガノディアマンテ | 12 | 2-1 | 61555000 |
アルドーレ | 9 | 4-2 | 55627000 |
ストーミーバローズ | 13 | 3-5 | 53175000 |
ボードウォーク | 16 | 3-5 | 52513000 |
ムーンレイカー | 23 | 2-8 | 52062000 |
エングレーバー | 8 | 3-3 | 48047000 |
モルフェオルフェ | 22 | 4-1 | 47950000 |
世代別ににオルフェーヴル産駒の成績を見る
まずは世代別勝ち星から。
2016年度のオルフェーヴル産駒の方が勝ち数では初年度を上回っています。勝率もなかなかといえるでしょう。
ただ獲得賞金が少ないのは粒は揃っているけれども大物がいないということでしょう。
誕生年 | 出走回数 | 1着 | 賞金 |
---|---|---|---|
2015 | 1029 | 83 | 1855893000 |
2016 | 903 | 92 | 1222796000 |
2017 | 322 | 28 | 376736000 |
ちょっとわかりにくいので、年度別に2歳時の結果を見ていきましょう。
年々数字自体は上がっています。ただ、やはり大物の不在だけがネックといった感じでしょうか。
年度 | 出走回数 | 1着 | 賞金 |
---|---|---|---|
2017 | 200 | 20 | 235131000 |
2016 | 197 | 14 | 198923000 |
2015 | 171 | 10 | 254317000 |
オルフェーブル産駒の距離実績
3勝クラス以上という条件でオルフェーヴル産駒の成績を集計しました。
ラッキーライラックは現在5勝。
これはオルフェーヴル産駒のなかではトップの数字です。
しかし、4勝馬が7頭います。
3勝馬が12頭。
事例としては充分です。
オルフェーヴル産駒にはパワータイプが多いので、ダートで活躍する馬もいますが実際のところはどうでしょうか。
以下集計結果の中にラッキーライラックの戦績は含まれていません。
条件 | 出走回数 | 1着 | 賞金 |
---|---|---|---|
芝2000 | 23 | 3 | 224018000 |
芝1800 | 21 | 3 | 171264000 |
芝2400 | 9 | 0 | 100583000 |
芝1600 | 12 | 1 | 38020000 |
芝3000 | 4 | 1 | 36343000 |
ダ1800 | 13 | 0 | 31342000 |
芝2200 | 7 | 1 | 30733000 |
ダ1200 | 3 | 1 | 25938000 |
ダ1700 | 5 | 0 | 23658000 |
ダ1900 | 1 | 1 | 18445000 |
芝3400 | 2 | 0 | 10081000 |
芝1400 | 2 | 0 | 6654000 |
芝1200 | 1 | 0 | |
芝1000 | 1 | 0 | |
ダ1600 | 1 | 0 |
トータルで11勝。
ダートで2勝。
芝はマイル以上の距離、特に芝1800m、芝2000mでの成績が際立っています。
まとめ
ラッキーライラックはオルフェーヴルの初年度産駒。
繰り返しになりますが、アーモンドアイさえいなければ桜花賞、オークスはこの馬のものになっていたでしょう。
ラッキーライラックとオルフェーヴルの共通点をあげるなら、他馬というよりは自分との闘いという点です。
崩れるときはほぼ自滅しています。
現役はおそらく今年が最後。
成果を残しているオルフェーヴル産駒の傾向に見られる通り、ラッキーライラックの適性も芝1800m以上かと思われます。
昨年の春の路線とは異なる舞台であれば、ラッキーライラックの走りを通して優れたオルフェーヴル産駒に備わっている可能性が見られるのではないでしょうか。
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