オーロアドーネの距離適性を血統的な側面から集計

1勝馬ながら弥生賞にエントリーしているオーロアドーネ。
父はエピファネイア。
ワーケア、サトノフラッグ、オーソリティ。
名の通った馬たちが賞金を加算するべく仕上げてきているはずです。
2月デビューの1戦1勝馬がこのレベルのレースで太刀打ちできるのか?
ダービー、もしくは、3歳春の表舞台を目指すならもっと無難な選択があるとも思いますが、実際のところオーロアドーネのような馬が活躍した事例はあるのか?
いくつかの側面から見ていきたいと思います。
2013/01から2020/02/16までの合計23889レースをもとに集計しています。
キャリア1戦の馬が弥生賞に出走した際の戦績
オーロアドーネのキャリアは2020年度弥生賞の時点で1戦1勝。
デビューは2月の東京。
楽勝だったと騎乗したマーフィーは語り、課題として気性の難しさあげました。その点を克服できれば距離はこなせると。
2019年度の弥生賞においてシュヴァルツリーゼがキャリア1戦ながら2着になりました。
集計期間中、それ以外の連帯の事例はありませんでした。
シュヴァルツリーゼに関していえばデビューは11月。
年明けデビューの馬に実績らしい実績はありません。
通常、仕上がっていれば早い時期からレースに使うことができますし、強い負荷もかけることができます。
デビューが遅いというのは、デビューが早くキャリアを積んでいる同期と比べると、完成度に問題があり、実戦に向けたトレーニングの量も不足しているといえるでしょう。
オーロアドーネはデビュー戦で強い競馬をしましたが、負かした相手は同じような境遇の馬たち。
相手が一気に強化されるうえ、距離も延長されます。
さすがにこの条件だと脆さが露見するのではないでしょうか?
牡馬のエピファネイア産駒の実績
デアリングアクト、スカイグルーブ、シーズンズギフト。
いずれもエピファネイア産駒ですが牝馬です。
牡馬で唯一の2勝馬がロールオブサンダー。
10月に同馬が2勝目をあげて以来、エピファネイア産駒の牡馬で2勝目をあげた馬は出ていません。
集計期間中、エピファネイア産駒は合計で37勝していますが、牡馬は15勝で40%。
勝率は7.7%で連帯率は20.9%でした。
一方牝馬が22勝で勝率12.1%、連帯率は22%。
エピファネイア産駒のスケールを支えているのは牝馬のパフォーマンスであるともいえそうな現状です。
以下牡馬のエピファネイア産駒を賞金ベースでソートしたテーブルです。
便宜上上位15番目のみ記載しています。
馬名 | 出走回数 | キャリア | 賞金 |
---|---|---|---|
アリストテレス | 5 | 1-4-0-0 | 26788000 |
ロールオブサンダー | 4 | 2-0-1-1 | 25492000 |
ヴァルナ | 7 | 1-0-1-5 | 19054000 |
ロードオマージュ | 7 | 1-2-2-2 | 11600000 |
メイショウボサツ | 6 | 1-2-0-3 | 11550000 |
カーフライターク | 4 | 1-0-1-2 | 10400000 |
レッドブロンクス | 5 | 1-1-1-2 | 9600000 |
ディープハーモニー | 9 | 1-1-0-7 | 9500000 |
サーストンカイドー | 3 | 1-1-1-0 | 9100000 |
リスペクト | 6 | 1-2-0-3 | 9100000 |
ベルウッドネイチャ | 3 | 1-1-0-1 | 7800000 |
ショウナンバレリオ | 5 | 1-0-0-4 | 7000000 |
プントファイヤー | 4 | 0-3-0-1 | 6800000 |
ノルカソルカ | 4 | 0-2-0-2 | 6070000 |
オーロアドーネ | 1 | 1-0-0-0 | 6000000 |
アリストテレスは2戦目で勝ち上がり、以降は3連帯。
着差は小さなものですが、それだけに決め手にかけるといっていいでしょう。
この面々であれば、オーロアドーネが代表的な存在になる日もそう遠くないのかもしれません。
牡馬のエピファネイア産駒の距離実績。
エピファネイア産駒の牡馬に限ってみるとちょっと心配になるデータではあります。
短距離での実績に乏しい。
集計期間中、芝・ダートを含め1400m以下の距離への出走機会が39回。
これは全体の約20%。
で、結果は、カーフライタークが小倉の新馬戦であげた1勝のみ。
あと、芝1800mでの勝ちがありません。
条件 | 出走回数 | 戦績 | 賞金 |
---|---|---|---|
芝2000 | 46 | 6-8-6-25 | 81634000 |
芝1600 | 30 | 4-4-1-21 | 37370000 |
芝1800 | 38 | 0-7-2-29 | 25670000 |
ダ1800 | 27 | 3-2-1-21 | 24200000 |
芝1400 | 11 | 0-2-1-8 | 17254000 |
芝2400 | 6 | 1-2-2-1 | 11700000 |
芝2200 | 4 | 0-1-1-2 | 9856000 |
芝1200 | 7 | 1-0-1-5 | 9300000 |
ダ1400 | 8 | 0-0-2-6 | 3350000 |
ダ1200 | 12 | 0-0-0-12 | 1800000 |
ダ1600 | 4 | 0-0-0-4 | 1670000 |
ダ1700 | 1 | 0-0-0-1 | 510000 |
ダ2100 | 1 | 0-0-0-1 | |
ダ1300 | 1 | 0-0-0-1 |
決め手に欠け、勝ちきれない、明暗を分ける状況でビハインドを負ってしまう。
初年度産駒がデビューした2019年6月から2020年3月1週までのデータに基づいているわけですが、牡馬のエピファネイア産駒に関していえばこの期間内における完成度に問題があるのかなと推測してしまいます。
エピファネイア×アグネスタキオンの距離実績
オーロアドーネの母馬はサラファン。
現役時代は9戦1勝。主戦場はダートでした。
サラファンの産駒に関していえば、オーロアドーネの上に2頭の牝馬がいますが、共にデビューすることはできませんでした。
こうした流れにあってオーロアドーネがデビュー戦を勝ち上がることができたというのは幸運といえるのかもしれません。
2月に行われた新馬戦ではありましたが、血統馬もいる中一番人気に推されての圧勝。
しかし、備わっている能力は高いとしても、やはり牡馬のエピファネイア産駒の早い時期における完成度の問題と、オーロアドーネのデビューが年明けの2月になったことは、クラシック戦線における優位性という観点からすれば割引材料としてとらえた方が良いのではないでしょうか。
オーロアドーネと同じ組み合わせの馬の戦績
オーロアドーネを含め8頭。
2頭が勝ち上がっています。
実績はマイルにしかないといっていい現状。
東京マイルは2戦2勝。
オーロアドーネ、フェルミスフィアが新馬戦で勝っています。
この組み合わせにおける中山芝2000mの実績は、12月の新馬戦でインビジブルナイツが7着だった記録があるのみ。
22回の出走記録の中で、2000m以下の条件に出走したのは18回。
うちマイルが8回。
22回の出走の中で獲得した賞金の比率だと、約84%がマイルでの競争で獲得しものです。
条件 | 性別 | 出走回数 | 戦績 | 賞金 |
---|---|---|---|---|
フェルミスフィア | 牝 | 2 | 1-1-0-0 | 11106000 |
パリスデージー | 牝 | 5 | 0-3-1-1 | 8400000 |
オーロアドーネ | 牡 | 1 | 1-0-0-0 | 6000000 |
ハットルヴァン | 牡 | 5 | 0-0-1-4 | 2820000 |
スーザフォン | 牡 | 2 | 0-0-0-2 | 770000 |
シャリン | 牝 | 1 | 0-0-0-1 | |
インビジブルナイツ | 牡 | 2 | 0-0-0-2 | |
アドマイヤルミナス | 牝 | 4 | 0-0-0-4 |
まとめ
先述した通り、集計期間中に開催された弥生賞において2月デビューの1戦1勝馬が馬券に絡んだ実績はありませんでした。
2戦目で敢えて厳しいチャレンジをするのは、クラブ法人の馬だからでしょうか?
オーロアドーネにとって中山と距離の2000mという条件が合っているのかどうか、まずは気性も含めた適性、自分自身との闘いになるでしょう。
重賞なので対戦相手は一気に強化されます。
結果としてオーロアドーネにとって不利な情報ばかりを並べてしまいましたが、ものともしないパフォーマンスがみられるかどうか。
現状今一つな牡馬のエピファネイア産駒の戦績。
難しい条件ですが、オーロアドーネにかかる期待が大きくなるのは仕方がないとこなのでしょう。
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