アブレイズの距離適性を血統的な側面から集計

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デビューからわずか47日後にフラワーカップを制したアブレイズ

1勝馬のキズナ産駒。

12番人気という低評価を覆しての1着でした。

同レースには2勝馬が4頭。

中でも1番人気でエピファネイア産駒のシーズンズギフトとミアマンテは2戦2勝。

2歳10月のデビュー戦ではサトノフラッグに先着しているレッドルレーヴ。

同じキズナ産駒で1800m以上の距離で牡馬を相手に勝ち上がってきたクリスティや、ショウナンハレルヤらがいるなかでの完勝でした。

2013/01から2020/03/15までの合計24028レースをもとに集計しています。

アブレイズに見るキズナ産駒の可能性

2013年度フラワーカップの勝ち馬であるサクラプレジールはアブレイズよりも遅い3歳の2月10日デビュー。

同レースには後にオークスで2着になるエバーブロッサム(出走当時は1勝馬)もいましたが、2勝馬は1頭のみとメンバーは手薄でした。

集計期間中、月ごとにキズナ産駒がデビューした頭数を集計すると以下の通り。

年月 デビュー頭数
2020/03 2
2020/02 8
2020/01 8
2019/12 16
2019/11 18
2019/10 32
2019/09 15
2019/08 12
2019/07 17
2019/06 13

先述のとおり、同レースにはアブレイズを含め3頭のキズナ産駒が出走していました。

チューリップ賞にも、勝ち馬であるマルターズディオサを含め3頭が出走しています。

牡馬は牝馬ほどに層は厚くありませんが、ビアンフェとエグレムニの2頭が朝日フューチュリティ(G1)に出走し、年明けの京成杯(G3)では勝ち馬であるクリスタルブラックとリメンバーメモリーの2頭が出走していました。

キズナ産駒がデビューしてから合計13頭が22回の重賞競走に出走し、3勝しています。

競争馬としても種牡馬としても同期のライバルといえるエピファネイアの産駒は12頭の産駒が16回の重賞競走に出走し、現状スカイグルーヴの京成杯(G3)2着が最高着順。

2017年生まれのディープインパクト産駒の23頭、出走回数32回、重賞レース8勝には遠く及びませんが、春のクラシックを前に出走の準備が整っている馬の数が多いという点はディープインパクト産駒に通ずるクオリティであり、キズナ産駒のダービーに至るまでの完成度の高さは今後の交配にとっても大いにプラスであるといえるでしょう。

アブレイズの母馬であるエディンの実績

アブレイズの母馬であるエディンのキャリアは20戦5勝。

デビューは3歳の1月。

4歳の秋にはエリザベス女王杯に出走し、5歳の春を最後に引退しました。

初仔であるカリマの父はヴィクトワールピサ。

2歳の9月にデビューしましたが、未勝利で南関東に移籍。

アブレイズは2頭目の産駒。

アブレイズと同じキズナ×ジャングルポケットの組み合わせは現状デビューしている馬の中にはおらず、アブレイズのみとなっています。

ちなみに同じ2017年度生まれでBMSがジャングルポケットである馬の主な実績馬は以下の通り。

馬名 父親 戦績 賞金
コルテジア シンボリクリスエス 2-1-1-2 55546000
ロードオマージュ エピファネイア 1-3-2-2 15662000
パフェムリ ヴィクトワールピサ 1-0-0-2 11700000
ウインアステロイド リアルインパクト 1-1-1-4 9900000
フルデプスリーダー ヘニーヒューズ 1-1-1-0 9700000
コロンドール タートルボウル 1-1-0-1 8100000

コルテジアはアブレイズと同じノースヒルズ産。

2020年度のきさらぎ賞の勝ち馬です。

ロードオマージュはJRA史上でも少ない5連勝を達成したロードマイウェイの弟。

血統的な傾向からいっても、本格化はもう少し先でしょう。

地味ながらも、ミッキースワローや、ロードマイウェイ、ライラックカラーなど、G2、G3クラスの常連馬たちのBMSもジャングルポケットです。

フラワーカップと春のクラシックレースの関連について

集計期間中のフラワーカップの勝ち馬は以下の通り。

年度 勝馬
2019 コントラチェック
2018 カンタービレ
2017 ファンディーナ
2016 エンジェルフェイス
2015 アルビアーノ
2014 バウンスシャッセ
2013 サクラプレジール

あくまでも集計期間中のフラワーカップの優勝馬がその後のキャリアでG1レースを勝ったという事例はありませんでした。

より長い期間で見れば、シーザリオやダンスインザムードといった名牝の名前も見られますが、時代が違うということで当該期間のみで進めます。

フラワーカップの優勝馬は春のクラシックとは疎遠である傾向が続いています。

対象をフラワーカップで掲示板に載った馬、というふうに広げてみても2018年のトーセンブレスの4着が最高で、オークスでは2013年度フラワーカップで2着だったエバーブロッサム2着、2014年度の勝ち馬であるバウンスシャッセが3着になって以来入着した馬はでていません。

ただ、2014年度5着だったディープインパクト産駒のショウナンパンドラは秋華賞とジャパンカップを勝ち、2018年度3着だったノームコアは2019年度のヴィクトリアマイルを日本レコードで勝ちました。

結果を見てもわかる通り、集計期間におけるフラワーカップは春のクラシックレースで活躍する馬のステップとして選ばれていません。

2020年度は例年よりも粒がそろっていましたが、当然ながら一線級の出走はありませんでした。

確かにアブレイズのパフォーマンスは素晴らしかったですが、キャリア、完成度の面からいっても秋以降、長い目で見た方が良いのかもしれません。

アブレイズの競争馬としての強み

管理する池江師は気性面で牝馬の割に落ち着きがある、とデビュー前にはアブレイズについて語っています。

デビュー戦が京都の2000m。

マイルよりも2000mの方がいい、との判断からでした。

デビューが3歳の2月と遅いですが、乗り込み自体は豊富で順調な過程であったこと、スタートが良く、ポジションを取りにいっても制御がきく点、鞍上の藤井勘一郎騎手が、フラワーカップの勝利後にトリッキーな中山コースや坂も経験でき、京都とはまた違ったコンディションで、結果が出せたのは大きいと語ったように

格上の馬たちを相手に自分からポジションを取りに行って2番手から押し切る内容からいっても操縦性の高さが生きやすい中山のような条件の方が良いのかもしれません。

キャリアの浅さがプラスに作用したといったとも語っていましたが、そもそもの能力と競争センスがなければできないことです。

春のクラシックレースでは厳しいのでしょうけれども、秋以降に持ち味が生きる条件でレースができる機会も増えるのではないでしょうか。

まとめ

以前、アドマイヤビルゴにまつわる集計結果で年明けにデビューした馬がもう何年もダービーを勝てていないと書きました。

アドマイヤビルゴは1月デビューでアブレイズは2月デビュー。

集計期間中に2月にデビューした馬でその後G1を勝った馬はいませんでした。

1月デビューの馬だと記憶に新しいところでいえばフィエールマンやキタサンブラック。

両馬は春のクラシックに勝つことはできませんでしたが、いずれも3歳の秋に菊花賞、翌年の天皇賞春を勝っています。

集計期間中の3歳の3月、4月、5月デビューの馬のなかにもその後G1ホースになった馬はいました。

おそらくもっと過去に遡れば3歳の2月にデビューした馬の中にも後にG1のタイトルを手にした馬はいるのでしょう。

しかし、2013年から現在に至るまでの間にはいません。

そんな誰も知らないようなこじつけのようなジンクスをアブレイズが覆してくれるかどうか。

3歳の春は厳しいのでしょうけれども、興味深い存在であることは間違いありません。