フィエールマンの距離適性を血統的な側面から集計

2020年4月29日フィエールマンディープインパクト, フィエールマン, 成績, 手塚貴久厩舎, 血統, 距離適性

春の天皇賞2連覇に挑むフィエールマン。

地味な存在ですが、3000m以上の距離でG1レースを2勝している唯一のディープインパクト産駒です。

期待された凱旋門賞では馬場コンディションがタフ過ぎました。

帰国後の有馬記念では4着。

合っているとはいえない条件でも恰好は付けました。

おそらく現役は2020年が最後。

キャリアは海外のレースを含めても9戦。

まだまだ未知の魅力が残されている存在です。

2013/01から2020/04/21までの合計24350レースをもとに集計しています。

フィエールマンの母であるリュヌドールの産駒の実績

集計期間中に出走記録のあるリュヌドールの産駒はフィエールマンも合わせて以下の通り。

馬名 生年 性別
ルヴォワール 2014生 ハーツクライ
フィエールマン 2015生 ディープインパクト
ラストヌードル 2016生 オルフェーヴル
ルーツドール 2017生 ジャスタウェイ

獲得賞金順にソートすると結果は以下の通り。

JRAにおける成績のみで集計しています。

馬名 性別 出走回数 キャリア 賞金
フィエールマン 8 4-2-1-1 420035000
ルヴォワール 8 3-0-2-3 31359000
ラストヌードル 8 2-1-0-5 21000000
ルーツドール 2 1-0-0-1 7000000

あくまでも集計期間中に出走の記録のあるリュヌドール産駒についてですが、4頭ともに新馬戦を勝っています。

ルーツドールの距離実績

競馬場 距離 出走回数 キャリア 賞金
東京 芝1600 1 1-0-0-0 7000000
京都 芝1600 1 0-0-0-1

ラストヌードルの距離実績

競馬場 距離 出走回数 キャリア 賞金
小倉 芝1800 2 1-1-0-0 10600000
東京 芝1800 2 1-0-0-1 8100000
阪神 芝1800 1 0-0-0-1 2300000
東京 芝2400 1 0-0-0-1
中山 芝2000 1 0-0-0-1
中京 芝1600 1 0-0-0-1

ルヴォワールの距離実績

競馬場 距離 出走回数 キャリア 賞金
中山 芝2000 4 2-0-0-2 16196000
札幌 芝2000 1 1-0-0-0 7500000
東京 芝2400 1 0-0-1-0 3832000
東京 芝2000 2 0-0-1-1 3831000

ルーツドールはまだキャリア2戦で1勝馬ですが、その他の産駒は複数勝利を挙げています。

同馬の下にはフィエールマンの全妹のエクランドールがおり、同じく手塚貴久厩舎です。

ディープインパクト産駒でG1レースを複数勝った馬

集計期間中、ディープインパクト産駒の牡馬でG1ホースは19頭。

そのうち、2勝以上G1レースを勝っている馬は以下の通り。

ちなみに海外の成績は含んでいません。

馬名 勝利数
アルアイン 2
サトノダイヤモンド 2
フィエールマン 2
ミッキーアイル 2
コントレイル 2

内分けは以下の通り。

年度 馬名 年齢 レース名
2020 コントレイル 牡3 皐月賞
2019 コントレイル 牡2 ホープフルS
2019 アルアイン 牡5 大阪杯
2017 アルアイン 牡3 皐月賞
2016 サトノダイヤモンド 牡3 菊花賞
2016 サトノダイヤモンド 牡3 有馬記念
2019 フィエールマン 牡4 天皇賞(春)
2018 フィエールマン 牡3 菊花賞
2016 ミッキーアイル 牡5 マイルチャンピオンS
2014 ミッキーアイル 牡3 NHKマイルC

2年連続でG1レースを勝っている、牡馬のディープインパクト産駒は、フィエールマンとコントレイルだけです。

世代のトップを争う最も厳しい競争においてG1レースを2勝したコントレイルに対し、フィエールマンはあまり強敵がいない長距離カテゴリーのG1を2勝しています。

凱旋門賞を除けば大きく崩れてはいないものの、グレードレースの勝利は3000m以上の距離でのもの。

連覇のかかる2020年度の春の天皇賞には2019年度の菊花賞馬であるワールドプレミアや、唯一厄介な存在といっていいグローリーヴェイズも出走してこないという幸運もあります。

フィエールマンは新しいレコードを生み出す存在であり続けられるか?

フィエールマンは5歳馬ながらキャリアは9戦(凱旋門賞を含む)。

昨年度のグランアレグリアとサートゥルナーリア、本年度のコントレイル、デアリングタクトもそうですが、ステップレースを使わずに本番で結果を手にするケースが増えています。

コンディションを整えたり、フィジカルを強化するのに必ずしも実戦経験を多く積む必要がないということが実証されています。

フィエールマンはその最たる例であるといっていいでしょう。

年月日 レース名 着順 間隔(日)
2019/12/22 有馬記念(G1) 4 77
2019/10/06 凱旋門賞(G1) 12 49
2019/08/18 札幌記念(G2) 3 112
2019/04/28 天皇賞(春)(G1) 1 98
2019/01/20 アメリカジョッキーC(G2) 2 91
2018/10/21 菊花賞(G1) 1 112
2018/07/01 ラジオNIKKEI賞(G3) 2 78
2018/04/14 山藤賞(500万下) 1 76
2018/01/28 3歳新馬 1

凱旋門賞はかつてなく短い間隔でした。

調整する環境も異なるうえ、当日は欧州最強馬エネイブルさえ苦しむタフコンディション。

最下位という結果は仕方がないでしょう。

ルメールが無理をさせなかったのが功を奏したのか、帰国後の初戦で恰好の付く結果を残し過去最長の準備期間、133日を経て連覇のかかる天皇賞(春)に挑むことになります。

以下集計期間中に天皇賞(春)を制した馬の前走から天皇賞までの間隔です。

年度 馬名 間隔(日)
2019 フィエールマン 98
2018 レインボーライン 42
2017 キタサンブラック 28
2016 キタサンブラック 28
2015 ゴールドシップ 42
2014 フェノーメノ 36
2013 フェノーメノ 36

当該期間中でいえばアーモンドアイとクロノジェネシスが中147日でG1レースを勝っています。

間隔があきすぎだとか、ステップレースを使っていない、叩いていないとかいうのはもはや過去ということなのでしょう。

フィエールマンが挑むディープインパクト産駒としての記録とは

もしもフィエールマンが5歳で天皇賞(春)を勝てば、3年連続、牡馬でG1レースを3勝したはじめてのディープインパクト産駒になります。

着差は小さなものですが、しっかりターゲットを捉えしのぎきる。

京都の3200mという舞台であれば、昨年の再現がみられる可能性が高そうです。

凱旋門賞を前にした札幌記念で3着だったレース後ルメールは以下のように語りました。

狭いコース、短い距離でしたし、エンジンの掛かりが遅かった

まだ経験はありませんが、2400mがベストだと思います

5歳馬ですが、キャリアは9戦。

東京の2400mという条件でどのようの競馬を見せてくれるか、楽しみは残されています。

まとめ

2020年度天皇賞(春)は2019年度菊花賞馬ワールドプレミアが不在。

トーセンカンビーナやモズベッロなどの新顔もありますが、58キロを背負って3200mという条件でフィエールマンにとって脅威になりうるかどうかは疑問です。

長距離というカテゴリでは世代交代が生じにくい傾向にあるのかもしれません。

アルバート(ステイヤーズS)、フェイムゲーム(ダイヤモンドS)、ゴールドシップ(阪神大賞典)。

この3頭は集計期間中、同一重賞を3連覇しています。

いずれも長距離レースです。

レースの数自体が少ないため生産レベルから優先度が下がるのは仕方がありません。

集計期間中もキタサンブラック、フェノーメノが天皇賞(春)を連覇しています。

仮に目標は先にあるのだとしても、メンバー的にいって競走馬としての価値を維持するためにもフィエールマンにとって天皇賞(春)は負けられないレースです。