ヴァルコスの距離適性を血統的な側面から集計

青葉賞2着で何とかダービー出走権を手にしたヴァルコス。
血統という側面でいえばディープインパクトの甥にあたります。
父であるノヴェリストの産駒がダービーに出走するのは初めて。
母であるランズエッジの産駒としても初めてのクラシックの出走になります。
2013/01から2020/05/17までの合計24626レースをもとに集計しています。
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ランズエッジ産駒の実績
出走の記録が残っているランズエッジの産駒はヴァルコスを含め6頭。
初仔の牝馬カラエ以外はすべて勝ち上がっています。
ギルトエッジはヴァルコスの全兄。
キャリア3戦目、2歳のうちに初勝利をあげましたが、それがキャリア最後のレースになりました。
ブルークランズ、エッジースタイル、ロカいずれも運があればもっと上のクラスで走れていたかもしれない実績馬です。
生年 | 馬名 | 性別 | 戦績 | 賞金 |
---|---|---|---|---|
2017 | ヴァルコス | 牡 | 2-2-0-2 | 42766000 |
2015 | ギルトエッジ | 牡 | 1-1-1-0 | 8800000 |
2014 | ブルークランズ | 牝 | 3-3-1-2 | 44215000 |
2013 | エッジースタイル | 牝 | 3-2-4-17 | 60350000 |
2012 | ロカ | 牝 | 1-1-1-3 | 28366000 |
2011 | カラエ | 牝 | 0-0-0-3 | 600000 |
ランズエッジ産駒の距離実績
ヴァルコスはノヴェリスト産駒。
2勝目をあげたゆきやなぎ賞で騎乗したシュタルケ騎手は、加速に少し時間がかかるというウィークポイントをあげました。
ただ、それ故に長く良い脚を使える直線の長いコースが向いているとも。
重い馬場も苦にせず、スタミナがるところもノヴェリストに似ているとコメントしました。
2400m、それ以上の距離、コンディションの良くない馬場になるとより良さが出るのかもしれません。
以下、ランズエッジ産駒の距離実績を集計した表です。
距離 | 戦績 | 賞金 |
---|---|---|
芝2000 | 4-3-4-10 | 72975000 |
芝1800 | 5-4-1-14 | 61424000 |
芝2400 | 1-1-0-0 | 32716000 |
芝1600 | 0-0-1-3 | 13682000 |
芝2200 | 0-1-1-0 | 4300000 |
ノヴェリスト産駒のこれまでの実績
ノヴェリスト産駒がデビューしたのは2017年。
結構な期待がされていたように思いますが、重賞を勝った馬はラストドラフト1頭のみ。
ノヴェリスト産駒が集計期間中に出走した重賞競走において馬券に絡んだ実績は以下の通り。
年度 | 馬名 | レース名 | 着順 |
---|---|---|---|
2020/05 | ヴァルコス | 青葉賞(G2) | 2 |
2020/03 | ヴェスターヴァルト | 中スポ賞ファルコンS(G3) | 3 |
2020/01 | ラストドラフト | アメリカジョッキーC(G2) | 3 |
2019/12 | ラストドラフト | 中日新聞杯(G3) | 2 |
2019/03 | ローゼンクリーガー | ファルコンS(G3) | 3 |
2019/01 | ラストドラフト | 京成杯(G3) | 1 |
ヴァルコスは2017年生まれの2019年デビュー。
同期のヴェスターヴァルトはファルコンステークスで3着になりました。
ラストドラフト1頭だったところに重賞クラスでもやれる、2017年生まれのヴァルコス、ヴェスターヴァルトが加わりました。
実際のところ上手くいっているとはいえないノヴェリストの取り扱い。
血統的な配合も含めた調整はすすんでいるのでしょうか?
年度産駒ごとの成績は以下の通り。
生年 | 出走頭数 | 出走回数 | 戦績 | 賞金 |
---|---|---|---|---|
2017 | 67 | 299 | 18-29-28-223 | 282755000 |
2016 | 96 | 419 | 29-21-34-333 | 375670000 |
2015 | 88 | 381 | 24-41-27-286 | 316418000 |
集計の期間は新馬がデビューする6月から翌年の6月までの戦績をカウントしています。
最も成果を残したのはラストドラフト世代。
ヴァルコスの世代は全体でみると数字は下降しています。
種牡馬としてのノヴェリストが見直されるには余程インパクトのある成功が必要でしょう。
青葉賞2着馬のダービーの戦績
集計期間中において、青葉賞2着はダービーで苦戦しています。
馬券に絡んだのは2013年のアポロソニックのみ。
2018年に4着だったエタリオウはヴァルコスと同じ友道厩舎の馬。
友道厩舎は2014年にワールドインパクトが同様のローテーションでダービーで10着。
そして、2018年のエタリオウ。
短期間で2度の遠征はタフなチャレンジになりますが、集計期間中においてダービーを4戦2勝している厩舎だけにコンディションは調整してくれるでしょう。
年度 | 馬名 | 着順 |
---|---|---|
2019 | ランフォザローゼス | 7 |
2018 | エタリオウ | 4 |
2017 | ベストアプローチ | 9 |
2016 | レッドエルディスト | 9 |
2015 | タンタアレグリア | 7 |
2014 | ワールドインパクト | 10 |
2013 | アポロソニック | 3 |
まとめ
青葉賞で敗れたオーソリティは2020年度牡馬クラシックの序列でいえば5、6番手といったところでしょうか。
その馬に外から馬体を合わせる形でかわされてしまいました。
先に脚を使っていた分屈したようにも見えますが、ヴァルコスは溜めても決め手があるわけではないのでロングスパートは正攻法ともいえるでしょう。
まだ緩い、馬場が渋ってくれたら、とかトップレベルで戦うにはいろいろ注文が付きそうですが、2歳の6月にデビューしここまで6戦してダービーに出走するまでになってます。
ラストドラフト、バラックパリンカ、ヴァルコス。
ノヴェリスト産駒のオープン馬は3頭。
まだ獲得賞金で1憶円を超えた馬は出ていません。
ヴァルコスのキャリアはノヴェリスト産駒の中で最も順調といえるでしょう。
馬場が渋って長距離の重賞レースがある秋から冬場にかけてどれだけやれるか。
ヴァルコスの成績が種牡馬ノヴェリストに及ぼす影響は小さくないでしょう。
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