モーリス産駒の不評に関する意外な重みについて

2018年生まれの馬がデビューして2週間。
モーリス産駒は10頭がデビューしましたが、勝ち上がった馬はおらず早くも期待外れの声が上がっています。
産駒の仕上がりの早さをアピールするには、この時期の新馬戦は恰好の場となります。
昨年度に初めての産駒がデビューし、2歳時からの完成度の高さが目立ったキズナ産駒ですら本年度はまだ6頭しかデビューしていません。
モーリスを推す陣営の準備の度合いが窺えます。
2013/01から2020/06/14までの合計24857レースをもとに集計しています。
デビューしたモーリス産駒の顔ぶれ
デビュー前、もっとも注目を集めたのはブエナベントゥーラでしょう。
父と同じ堀厩舎で、母はブエナビスタ。
レガトゥスはアドマイヤセプターの仔で一つ上の異父姉にはスカイグルーヴがいます。
その他にもドナウブルーの仔であるドナウエレンなど、期待にいくらか報いることができる程度の粒は揃っていました。
数頭いる産駒うちの何頭かはクオリティを見せてくれるだろうというような観測もあったかもしれません。
以下、2020年6月14日までにデビューしたモーリス産駒の一覧です。
馬名 | 性別 | デビュー戦 |
---|---|---|
ウインメイユール | 牝 | 2着 |
ブエナベントゥーラ | 牡 | 2着 |
マジカルステージ | 牝 | 3着 |
カスティーリャ | 牡 | 3着 |
ドナウエレン | 牝 | 5着 |
リスカム | 牡 | 5着 |
レガトゥス | 牡 | 6着 |
ステディシュシュ | 牝 | 8着 |
コンセプト | 牡 | 9着 |
トゥーフェイス | 牡 | 9着 |
モーリス産駒を最も生産しているブリーダーは?
あくまでも2020年6月14日までにデビューしたモーリス産駒の集計です。
繋養先が社台スタリオンステーションなのでおおよその検討が付きますが、実際のところは以下の通り。
まだ新馬戦が始まって2週とはいえ、ここまで推しているにも関わらず外すノーザンファームも珍しいのではないでしょうか。
生産者名 | 出走頭数 | 戦績 | 賞金 | 勝率/連対率 |
---|---|---|---|---|
ノーザンファーム | 5 | 0-1-1 | 5300000 | 0.0% / 20.0% |
コスモヴューファーム | 1 | 0-1-0 | 2800000 | 0.0% / 100.0% |
追分ファーム | 1 | 0-0-1 | 1800000 | 0.0% / 0.0% |
畠山牧場 | 1 | 0-0-0 | 700000 | 0.0% / 0.0% |
三嶋牧場 | 1 | 0-0-0 | 0.0% / 0.0% | |
社台ファーム | 1 | 0-0-0 | 0.0% / 0.0% |
モーリス産駒に寄せられている期待
トップジョッキーを配した、ブエナベントゥーラ、ドナウエレン、レガトゥス。
この3頭には説得力のあるパフォーマンスが求められたはず。
ドナウエレンにしろ、レガトゥスにしろいいところなく敗れています。
負けるにしても見どころというか内容が欲しいところでした。
ディープインパクトのいない日本競馬の新しい潮流。
おそらくネガティブな評価が多いのは、モーリス産駒への期待が大きさがあります。
それ故に、内容に乏しい負けが続くとどうしても反動が生じてしまいます。
まとめ
現役時代、モーリスの躍進は4歳になってから、栗東の吉田厩舎から堀厩舎に転籍した初戦から始まっています。
なので、モーリス産駒の評価は時期尚早である、という考えは至極もっともです。
しかし、種牡馬にとって産駒の仕上がりの早さは死活問題です。
7月にはセレクトセールが控えており、ここ2週のモーリス産駒の戦績はいくらかセレクトセールに向けて影を落としているでしょう。
競馬のサイクルはダービーを中心に回っています。
ダービーの時点での完成度。これが重要です。
ディープインパクト産駒が高額で取引され、海外でもその血が求められたのはダービーを迎える以前の完成度の高さが評価されてのことでしょう。
なので、まだ2週、10頭しかデビューしていない現状とはいえ、ノーザンファームが準備をして十分な報いを得られなかったのは、種牡馬モーリスにとって割に深刻かもしれない様相があります。
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